再始動!ガンシューティング!

プレートレンジに入り、スタート直後、足下の揺れは無い。それでも緊張感は場の雰囲気で十分すぎるほど感じている。5枚のターゲットをヒットし、一息ついてジャーマーに臨んだ。大、中は危なげなくクリアー。小ジャーマーをヒットすべくスコープをのぞき見た直後、緊張感が溢れ出した。レティクルが定まらなくなり、足下が揺らぐ。呼吸を少し押さえた事も影響していたのか、意識とは別に膝がガクガクと震え始める。こうなると止まらない。既に射撃体勢に9割方入っているので銃を下ろす事は不可能と判断して、揺れの中、トリガーをタイミングに合わせ絞った。無論、結果はアウト!! 銃を下ろし、両腕を下げ、ライフルを両手で地面と平行に持ち、「今のは頂けない…」と反省しつつ、全身で大きな深呼吸を繰り返した。

しかし、悪い気を全部吐き出してからの深呼吸級ではなかったらしい。第二ターン開始直後、初弾をターゲット5時方向に外してしまった。スコープ越しに見たその映像にショックで大きく目を見開き、「悪い癖だ!!」とつぶやいてモチベーションを保った。足下の揺れは一向に収まらない。長めに狙っても良い結果につながらないと判断してレティクルがターゲットに入った瞬間にトリガーを絞った。残り4枚の白ターゲットはクリアー。ジャーマーでは揺れながらも気力で大と中はクリアーした。そして、小ジャマー。耳から入る音の判断ではこのグループで撃ち終えていない選手は私一人だろう。「残り30秒」というコールを聞いて「ゆっくり狙いますか…」と頭の中でささやいた。

再び揺れは大きくなりレティクルがジャーマーのグリーン部分までを捉え始めた。「ヤバイ!」と思いながらも一方では思いがけない閃きがあった。「意識的に銃を上下に揺らし、利用しろ!」

鼻孔を大きく広げ、息をして、意識的にレティクルを上下に揺らした。足下はフラフラと揺れているがスコープ/レティクルは次第に収まりを見せる。右手人差し指の感覚もシアーの滑り出しが分かるイメージまで回復している。あと少しトリガーを絞れば確実に激発出来る状態とレティクルが繋がり、シンクロした。次の瞬間、白い尾を引き小ジャマーにヒットした映像が見えた。

競技終了!
プレート第一 / ○○○○○.○○X 、第二プレート / X○○○○.○○○ 合計51点。記録用紙にサインする右手は小刻みに震えていた。

続く...