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Posted by ミリタリーブログ  at 

2024年10月01日

2024 APS本大会_Hand-Gun Class 参戦記_#1

快晴とは言い難い雲多い日曜の朝。例年なら会場に到着している時間帯に自宅を出発した。寝坊した訳ではない。今年に限ってOpen、Free混合のグループ分けで出番が昼過ぎなので出来うる限り睡眠時間に充てたいと思ったからだ。とは言え、世間は秋の大型三連休の中日。仮に人身事故などで利用路線が運行見合わせになったら目も当てられない。それらを逆算して迂回路を考えた上の行動だ。

今年に対する意気込みが例年より少し違うのは少々訳ありである。今までは銃器に関する事に課金を施してきた。ところが結果が伴っていない。今年は自身の中でひとつの区切りとして結果を残したい。その為、銃以外の装備に対して今まで無いほど重課金を行なった。これで駄目なら今後の方向性を考え直さなくてはならないという思いがある。

その為、移動に関しても慎重だ。ガンケースひとつ下げてホイホイという身軽な移動では無いので極力身体に負担がかからない厳選装備で移動しなくてはいけない。移動時も極力体力温存して席を陣取り、スマホは一切見ないといった徹底ぶりだ。目的地に到着すると第一グループが競技終了している時間帯だった。会場の空気はどんよりと重い。競技終了した数人の選手に結果を聞いてみるが、交わす言葉も少ない。出番には、まだ時間があるので6F 選手待機会場へ向かう。隣の物販ブースは軽く流すだけ。物欲より緊張感の方が強い。エントリー時間が来たのでひとつ下の会場入り。エントリーシート、ターゲットに所定事項を記入して銃検場へ。弾速は高い数値と思われる部類だが問題はない。検査済みシールを貼る場所に悩んだ。試射レンジでの試射数は「10発」だが、ブルズアイの規定高より低い電子ターゲットをとても撃つ気にならない。「なぜブルズ的より低いターゲット設置で試射なのか?」毎年の疑問だ? 最も高さがあった青い木片に3発放って試射を終えた。昼飯時間帯にスタートするので、「腹が減っては戦わ出来ぬ」とコンビニで買い求めた軽食を済ませスタートを待った。

今回の1グループ / 6名構成の射群に顔馴染みはいない。競技順はブルズアイ - プレート - シルエット。待機席でも互いに挨拶や会話もなく皆緊張あるの面持ちで順番を待つ。装弾済みか? 予備弾のボトルは忘れていないか? 装備は十分か? 短時間でチェック事項を済ませ、最近購入した最新式のスマホ・ウォッチで脈拍とストレスチェック。緊張しているのが可視化された数値の高さで分かるが本人は何となくほんわかな感じ。さあ、前射群が終了したので出番が回ってきた。

ブルズ的は10点圏を青シールで貼り付けたモノだ。本番の射座に立ち、サイティング・チェックを行うと補助灯に照らされたターゲットが眩しく、妙に明るい。フリーサイト / ダットのセンター赤ダットがその明るさにのまれて小さく光量不足に感じた。チェック後、照度をひとつ上げた。メインジャッジ号令で競技がスタートする。おそらく最も脈拍が上がる瞬間だ。早い選手は既に1発目を放っている。皆にワンテンポ遅れて装弾を終え、身体に溜まった息をため息のように大袈裟に吐き出し、新鮮な空気を吸いこみターゲットを見据え、構える。緊張感は隠せない。腕をゆっくり下ろしているはずがジグザクに揺れている。俺の1発目を放つ準備をしているのに数発のターゲット着弾音が響く。「狙わなぁ、当たらん」と冷静な自分がいる。トリガーミスの無いように丁寧にトリガーを絞る。「1分経過!!」と時間経過を知らせるメインジャッジの声。少なくなってきたターゲット着弾音。1発1発撃つごとに削られていく集中力。その集中力を切らさぬように時折、脱力して大きなため息をする動作を繰り返した。第一ブルズ的回収後の着弾確認は行なわなかった。

「揺れたなぁ」、第一ターゲット後の個人感想だ。緊張感で震えているはずはないが場の空気以上の緊張感が身体を襲う。ただし、ブレブレではない。波が寄せては返すようにテンポよくゆっくりやんわり揺れていた。足元は大地にしっかり根ざした巨木のようにどっしりした安定感があり、膝の揺れなど皆無だった。テーブルに置いたスマホが、GUN装着のMANTISの数値を示している。揺れていたのに数値はいつも通り。緊張感で揺れている自覚はあるがMANTISは高い数値を示していた。

続く第二ブルズ。「揺れていたのは緊張感の成せる反応だから、味方に付けねば損」と言い聞かし再びため息で排気、新鮮な空気を吸い込みブルズに臨む。「第一ブルズ時より揺れがない」あれほどゆっくり揺れていたものが皆無の第二ブルズ。より慎重にならざる得ない。トリガーの絞り具合も良い。それを5回繰り返し、射群内で一番遅れてブルズを終了した。すかさずテーブルに置いたスマホのMANTIS数値に目を配る。数値は低く、集弾が左気味だ。これがどう影響したかはブルズ採点で明らかになった。

結果、第一ブルズは50-2x、第二ブルズは5点右上、8点左上がひとつずつあり漠然とした。しかし、3発はX圏内にある。「油断したな」と呟き93-5xで確認サインを終えた。この時点で「−7点」。しかも手応えありと思えた第二ブルズのミス2発。やはり油断は禁物だ。奇しくも前日ライフルのブルズと同じ点数になにか感じるものがあった。

次は、プレート競技。この競技への対策は万全を期しているはずが、なかなか思うような結果にならない。

大きな氷柱をメンタルとして置き換えるなら緊張感という熱で溶けていく表面。15発を終えるまで当てられないたびに大きく削られていく氷柱。射撃内容によっては削られるより抉られて(えぐられて)、ヒビまで入り、撃ち終える前に崩れる氷柱といった感をこれまで何度も繰り返してきた。それでも15発の最後まで撃ち尽くさなければならないのがこの競技の恐ろしさであり、反面克服した時の醍醐味でもある。今回は秘策を持って万全に臨むが、ここにきて新たな懸念が生じた。それは「自動読み上げ」だ。問題の懸念部分は「レディー」からブザーが鳴り始める間合いだ。数少ない公式の場で試験的に導入された「自動読み上げ」の動画などからこの「間合い」に対策を費やしたのは言うまでもない。そして、後から綴るが「間合い」よりも大きな懸念がもうひとつある。

おそらくこの射群メンツでプレートを撃つのは初なので絶対的な懸念事項が発生するだろうと予測していた。射座に入り、射撃OKサインをパーソナル・ジャッジへ伝え、プレート競技がスタートする。

まずは対策-1 として、前のめりにならないようにアルミボーダラインへの足触れは避けた。10~15cm程度は隙間として姿勢をとる。対策-2 はターゲット正面立つことを止めた。小刻みに15回動き確認事項多数で混乱を避け、簡素な動きにした。とはいえ上半身を捻る事になるがそこは記述出来ない技でカバーする。対策-3はブルズアイのようにど真ん中狙点を長時間凝視しない。「絶対ここだ」と身体とメンタルに余裕のない事は極力避ける。目指したのはバスケットボールのスリーポイントシュートのようなものと言ったら良いだろうか。「的と己の位置は決して変わらない、そして、的は決して動かない」。

空間把握といったらなんだか訳解らない方向に行きそうなので避けるがリラックスして撃ち入れる事=ヒットとなる事を目標にした。対策-4は、例の自動号令は一度動き始めると止まらないので「間合いを合わしての呼吸」。この呼吸、出来ているようで結構奥深い技になる。そして、対策-5は個人的にはスタンバイ・ラインと呼んでいる照準合わせの待機姿勢時先の目標位置(正確に言うと5ポイントの点位置になるが脳が認識する効率よく簡素なものはラインなのでラインと呼んでいる)。以前はゼロイチと呼んでいた腕をダラーんと垂らした待機姿勢だったがこれは止めた。理由は腕の最短稼働を一定に求めた為だ。そして下、中、上段と微妙なプレートターゲットの高さに対して待機姿勢の腕待機位置を変更していたがこれも却下。現在は最も効率が良く、身体に負担が掛からない簡素なものに変更している。これらを全て短時間に自動的に行えるように徹底した練習を積み重ねた。おそらく練習時に最もBB弾を消費した競技になるだろう。

続く...
  

Posted by Master You  at 20:10Comments(0)本大会